第88回 夫の勇気

依頼者  商社マンの夫(39歳)
対象者 妻(30歳)

概要

妻に浮気される夫には、「事なかれ主義者」が多い。
毅然とした態度が取れないのに、未練だけはたらたらだ。
依頼者の商社マンがまさにそうだった。
専業主婦の妻は、中学時代の同級生と浮気しているらしい。
思い当たるきっかけは、3ヶ月ほど前の同窓会とのこと。
2人は週2回のペースで密会を続けていた。

調査結果を聞いた夫が、ぽつりとつぶやいた。
「妻に詰め寄ったら、間違いなく逆ギレして、ボクを捨てて出て行くでしょう。子供がいませんからね」とうなだれた。
浮気相手の男は有名私大卒の青年実業家で、都内の新築高層マンションで独り暮らし。
高級外車を3台所有している。
さらに男前だ。
勝ち目がないと思ったのか。
夜、帰宅した夫の目の前で、妻は「友達よ」と言いながら、頻繁に携帯メールのやりとりをしていたという。
結果的にはそれが浮気相手である。
よく似た場面がCMでもあったが、相手が誰であれ、その場で「いいかげんにしろ」と一喝すべきではないか。
それでも妻は、夫の帰宅時間までには必ず家に戻って夕食の準備をしている。
それなりに気遣っているとも考えられる。
ほっておけば単なる火遊びで終わるかもしれないが、妻は別の男との浮気を繰り返すだろう。
意外と妻は「いいかげんにしろ!」という夫からのそのひと言を待っているような気がする。

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